どの研究室にもそれぞれの研究テーマや特徴、指導方針があります。どの研究室に配属を希望する場合であっても、各研究室の方針をよく調べ、十分に納得したうえでの希望を出すようにしてください。
矢代研究室では組込みシステム(特にリアルタイムシステム)やIoT (Internet of Things) の研究を幅広く行っていますが、その中でも具体的なアプリケーションや応用を考えることよりも、そのアプリケーションや応用を支えるための「インフラ」を構築することを主眼にした研究を行っています。
一般に、実現したい応用(アプリケーション)とコンピュータのハードウェアとの間には大きなギャップがあります。例えば、スマートフォンを例に挙げると、スマートフォンのハードウェアで直接アプリを動作させるといった構成は通常とられません。現実的には、オペレーティング・システム(OS)やその上位で実現されるソフトウェアフレームワークによってアプリケーションを安定的かつ容易に利用するための「インフラ」が整えられ、それによって様々なアプリケーションを利用することが可能となっています。生成AIの分野でもMCPやSkillsなどの新たな相互運用のための仕組みが次々に提案されており、このような広義の意味での「OS」(あるいはプラットフォーム)を作りあげていくことが私たちの最大の関心事です。
ここで、このような基盤的な仕組みを考えていく上では、単にアプリケーションが作れるというだけでは不十分で、コンピュータ・サイエンスやコンピュータ・システムに関して十分な知識と技能を持っていることが重要です。本研究室に配属を希望される場合については、原則として以下の項目については十分に学修していただくようにお願いします。
- オペレーティング・システム
- 基本的なアルゴリズムとデータ構造
- C言語によるプログラミング
卒業研究での配属を希望される方へ
まずは前述の説明を読んでいただければと思いますが、その上でINIAD生に向けて補足を行います。
まず、矢代研究室を希望される学生のみなさんは、できれば「コンピュータ・システム科目群」を選択・履修するようにしてください。本科目群のカリキュラムでは、インフラとしてのコンピュータを考えるうえで必要な内容を幅広く、なおかつ深く扱っています。具体的には、コンピュータ・システム科目群のカリキュラムでは以下の内容を扱っています:
- C言語によるプログラミング
- コンピュータ・アーキテクチャ
- オペレーティング・システム
- コンピュータ・ネットワーク
- 組込み開発と電子回路の基礎 (Arduino)
- μT-Kernel 3.0に基づく組込みリアルタイムシステム
- 論理回路・電子回路とシステム実験
- 分散・並列システムとクラウド・コンピューティング
これらを2年間かけてしっかり学ぶことで、コンピュータ・システムを根本から深く理解できるようになっています。なお、科目群を選択せずに個別の科目を履修することは可能ですが、十分なエフォートを割くつもりで科目群として履修して十分に取り組んでいただくことを強く推奨します。
大学院での配属を希望される方へ
内部進学の場合であっても、外部(他大学や社会人)からの進学の場合であっても、入学試験への応募に先立って必ず矢代まで研究テーマ等について相談をするようにしてください。